三井金属鉱業株式会社

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ACTIVITY REPORTS

三井金属グループのパーパスにもとづいた
日々の活動をご紹介します。

3Dプリンター用銅合金粉を生産拡大

  • 市場共創
  • CASEへの対応
  • 探索精神と多様な技術の融合

幅広いニーズに応える3Dプリンター用銅合金粉を開発

金属部品の製造方法は、切削・研削・プレス・溶接・鋳造など様々なものがあります。その中でも近年特に注目を集めているのが、3Dプリンター(積層造形)を利用した製造技術です。銅は導電率や熱伝導率が高いという特徴があり、3Dプリンターの造形材料として期待されています。しかし、銅はレーザー光を反射してしまうため、3Dプリンターでの造形が難しいという問題がありました。
こうした問題を解決するため、当社はこれまで様々な銅紛を扱ってきた知見を活かし、ダイヘン社と業務提携し、3Dプリンター用の銅合金粉を開発、販売を開始しています。当社の製品には大きく分けて2種類のグレードがあります。1つ目は導電性が高いもので、純銅の95%の導電率を達成しています。2つ目は強度が高いもので、純銅の3倍以上の引張強度を実現しています。これらの製品により、お客様の幅広いニーズに応えることが可能となっています。

3Dプリンター用銅合金粉

今後の活用が期待される分野について

3Dプリンターによる金属部品加工のメリットは、複雑(曲線を交えるなど)かつ微細な造形ができるなど、成形の自由度が非常に高いことが挙げられます。以下は、当社の3Dプリンター用銅合金粉の活用が期待される代表的な3分野です。

①データセンター向け冷却部品(コールドプレート・ヒートシンク)

データセンター向けの水冷冷却部品であるコールドプレートや放熱部品であるヒートシンク。3Dプリンターの特性を生かし、冷却に最適な複雑形状に成形することで、冷却性能を向上させることができます。これにより、データセンターのAIチップ高出力化やポンプなどの水冷システムの小型化に対応でき、今後さらに高性能化が求められるデータセンターの省エネ効果が期待できます。

データセンター向けの水冷冷却部品 コールドプレート
一体型ヒートシンク(デモ用に半分にカットしたモデル)

②金型材料

従来では製造に約1か月かかっていた金型についても、3Dプリンターでは設計データがあれば1週間程度で製造可能となります。

金型(自由水路)の断面

③宇宙向けロケット

様々な宇宙サービスの利用に向け、ロケットを低コスト化させる動きが強まっております。複雑形状の部品の製造に3Dプリンターを活用するのが宇宙市場のトレンドとなっており、冷却機能が必要な部品は銅材料を使用して製造しています。

④誘導加熱コイル

自動車部品などの焼き入れに使われる誘導加熱コイルは複雑な形状をしており、熟練した職人のロウ付け(溶接の一種)で製造されています。3Dプリンターを活用することで、ロウ付けの必要がない一体品として安定的に製造することができ、コストダウンが期待されています。

※役職・役職名等は2024年2月現在のものです。