HRDP®ってなに?
半導体デバイスメーカー各社では、生成AIおよび5G/6Gなどの次世代移動通信システムに欠かせない次世代半導体パッケージ構造(※1)の開発を進めています。この開発・製造が実現すると、半導体デバイスの高機能化と低コスト化が進み、自動運転や遠隔医療、ロボット、通信デバイスなどの最先端技術は飛躍的に性能が向上し、私たちの生活に大きな変化をもたらします。こうした次世代半導体パッケージの製造工程においては「ファンアウト・パッケージング技術(※2)」の導入が進んでいます。これを支えるのが、次世代パッケージ向けチップ実装用キャリアHRDP®(※3)です。経済的かつ安定的な次世代半導体デバイス製造を実現する製品として期待されています。当社はHRDP®による新しい実装技術で、生成AIの進化及び次世代移動通信システムの普及拡大に貢献していきます。
※1 次世代半導体パッケージ構造:ここでは複数のチップを一つのパッケージに高密度実装する3Dパッケージ構造を指す。
※2 ファンアウト・パッケージング技術:再配線層をチップの外形より外側に拡張してパッケージを形成する技術。
※3 HRDP®:High Resolution De-bondable Panelの略。
ガラス、シリコン、メタルの3種類の中からお客様の用途に合わせて選択された基板上に「密着層」「剥離機能層」「メッキ用シード層」を、スパッタリング(※4)技術により多層薄膜形成した、HRDP®を提供します。
※4 スパッタリング:真空蒸着に類する薄膜製造の代表的な方法の1つ。
今後の市場展開は?
ファンアウト・パッケージング市場は、2027年には40億米ドルまで達するとの市場予測(※5)もあることから、HRDP®についても今後の更なる成長が見込まれます。
HRDP®の事業化においては、製造を担うジオマテック株式会社との協働が重要です。今後は、この協働関係を更に戦略的な段階に進展させ、高い競争力をもって市場拡大を図っていきます。既に国内外2社の実装メーカー様向けの小量産を開始しておりますが、現在、有力大手半導体デバイスメーカーを含む30案件以上の次世代半導体開発が進捗中で2025年頃からの本格的な量産開始を予定しています。
※5 フランスの調査会社Yole Intelligence社のStatus of the Advanced Packaging Industry 2022による。
※部署名・役職名は2023年11月当時のものです。