- [ 参加若手社員 ]
- 大村さん (2019年4月入社):経営企画本部 人事部 採用担当
川端さん (2019年4月入社):三井金属アクト(株) MPW本部 調達部
岡部さん (2019年4月入社):金属事業本部 企画部 金属開発センター(竹原) - [ 司会進行 ]
- 木村さん :コーポレートコミュニケーション部
パーパスについて感じたこと
本日の座談会テーマは「当社グループのパーパス」ですが、皆さんは初めてパーパスを知った時、どう感じましたか?
大村社風、歴史、技術力を掛け合わせた内容になっているので、当社ならではのパーパスだなと感じました。もともと私は、「環境問題に貢献したい」という思いで、入社を決めたので、「地球を笑顔にする。」という直球のフレーズに好印象を抱きました。
納(社長)「地球を笑顔にする。」は、私もいいフレーズだと思っています。
岡部「地球を笑顔にする。」は、分かりやすくてスッと入ってきたんですけど、最初の「探索精神と多様な技術の融合」は、漢字が多くていかついな、と思いました。ちょっと覚えにくいかな…と(笑)。あとは、私が就活していた時は、「マテリアルの知恵を活かす」が全面的に押し出されていて、この言葉がかっこいいなと思っていました。目的ではなく、あくまでも手段だと思いますが、「マテリアルの知恵を活かす」が隅に追いやられてしまったようで少し残念に感じました。
納(社長)「マテリアルの知恵を活かす」というスローガンは、私もとても気に入っています。岡部さんの言うとおり、こちらは手段です。目的はパーパスという位置づけと理解してもらえたらと思います。経営理念、パーパスときて、次にくるのが2030年の全社ビジョンの「マテリアルの知恵で“未来”に貢献する、事業創発カンパニー。」最初に「マテリアルの知恵」が出てくるんです。ですから、追いやられたわけではないので安心してくださいね。
なぜパーパスを作ったのか?
私は、パーパスを設定することで、従業員が同じ方向を目指せる、会社の一体感が感じられるなと思いました。一方で、もともと経営理念がある上で、パーパスを作ったのは、どうしてでしょうか?
納(社長)皆さん、経営理念って覚えていますか?私は入社30年以上になるので覚えていますが、若い世代に経営理念がピンときているか、という懸念を感じていたこともありますし、第二新卒の面接で、「御社はパーパスがないんですか?」と質問されたことがあるんです。今の若い人には、パーパスが浸透していて、そういったことへの感度が高いのだと思いました。2050年がどんな世界になっていて、その時の「当社の存在意義」を考えた時に、経営理念の言葉だけでは伝わらないだろう、という想いが非常に強かった。だからパーパスを作りました。じゃあ、パーパスは何のためにあるのかというと大きく二つの理由があります。一つは、変化の激しい時代において如何なる変化に直面しても、決して変わることのない判断基軸として。もう一つは、皆さんが迷った時、航海者にとっての北極星のように、自分達の向かうべき目印となるのがパーパスです。パーパスに共感してもらい、それが働く上で一つの心のよりどころになってほしいと思います。
川端そうなんですね。
木村(司会)パーパスを理解した上で、皆さんはパーパスに共感できますか?
大村私は共感しています。一人ひとりの裁量権が大きく、いろんな人の意見や発想をくみ取って、事業の発展につなげていく、そういう会社だと思うので「探索精神」という言葉に当社の色が表れていていいなと思います。三井金属が培ってきた強みを表す「探索精神と多様な技術の融合」は、既存製品の発展だけでなく、新製品の開発にもつながっているので、三井金属が生き残っていくために重要なことだと思います。
納(社長)まさにそうですね。ちなみに日本語って非常に難しいのですが、「探索精神と多様な技術の融合」は、区切る箇所によって、二つの解釈ができますよね。「『探索精神』と『多様な技術』の融合」なのか「『探索精神』と『多様な技術の融合』」なのか。パーパスの意味合いとしては後者なのですが、皆さんは知っていましたか?
川端文字だけだと少し分かりづらいですが、パーパスのビジュアルで文字が色分けされているので、後者だと思っていました。
岡部私もそう思います。色がついていると分かりやすいですよね。
大村そうなんですね。私は前者だと思っていました。二つの意味に捉えられることに、今初めて気が付きました。
納(社長)どこで区切るのかで意味合いが変わってくるので、ここは大事なポイントですね。
木村(司会)そうですね。川端さん、岡部さんはどうですか?
川端「探索精神」というキーワードが、自身の業務にも共通していると感じているので、共感できます。サプライヤーとの交渉では、一つの答えがない場面が数多くあります。何が正解なのか、模索しながら考える場面では、まさに探索精神が求められると感じています。
岡部製錬は、過去の技術の融合で最適化していくものだと思っているので、「多様な技術の融合」はすごく腑に落ちました。一方で、社外からは何の会社なのかが、ぱっと分かりにくそうと思ったのと、人への貢献要素がないように感じました。
納(社長)たしかに、製錬から電子材料、自動車部品など事業領域が広いので、外から見ると「三井金属って何の会社なの?」となってしまうと思います。パーパスも何かの事業にフォーカスして言葉にしているわけではないので、外部へのアピールには工夫が必要だろうと感じています。また、人への貢献要素ですが、「環境への貢献」と「人類への貢献」を両立できる領域が、「地球を笑顔にする。」という認識です。環境にも貢献しつつ、人類に利便性を提供することで、人にも貢献していくことができると思っています。
岡部よく分かりました。ありがとうございます。
判断基軸としてのパーパス
パーパスについて疑問に思っていることはありますか?
川端「地球を笑顔にする。」という部分がかなり含みを持たせた言い回しであると感じました。どんな状態なのかが、少し想像しづらい気もするのですが、具体的なビジョンはあるのでしょうか?
納(社長)地球上に存在するすべての生物に対して、事業による悪い影響を与えずにモノづくりをしていくというのが一つ。もう一つは、その上で、我々がターゲットにした事業領域の中で、人々が豊かになるような製品を生み出し、人類に利便性を提供していく状態のことです。つまり、環境にやさしく、かつ人類のためになる事業を行っていくということが「地球を笑顔にする。」の定義ですね。
社内でもあまり知られていないかもしれませんが、パーパスの「地球を笑顔にする。」の最後に句点を打つかどうかもかなり議論があったんですよ。句点がなくても、言葉として意味は通じるし、ないのが普通なのかもしれない。最終的に付ける結論に至ったのは、「するんだ!」という強い意志を、「~する。」で区切ることで表現したいとなったからです。それなら「!の方がいいじゃん」という気もするけど、それでは品がないのでね(笑)。あとは「、」と「。」があることによって、血が通うということ。句読点がないと文字の羅列に見えるけれど、句読点があると、人の言葉になる。読んだ時に意思が感じられるようにという意味も込めています。
会社としてパーパスがある、というのは理解できたのですが、一社員としてパーパスをどう活用していけばいいでしょうか?
納(社長)パーパスに共感してもらえるのであれば、このパーパスに沿った行動をする、ということだと思います。また、何か決断に迷った時、それは本当に環境のため、人類のためになっているのか、という判断基軸として活用してほしいです。パーパスに共感できる人が社内で増えてほしい、そして共感してもらえる人に入社してほしい、と思います。
岡部ありがとうございます。迷った時はパーパスを思い出すようにしたいです。
大村経営理念、パーパス、全社ビジョンがありますよね。それぞれつながっていると思いますが、最初に求められる、全員の考え方のベースになってほしいのは、パーパスという理解でいいのでしょうか?
納(社長)そうですね。経営理念をより現状に、そしてここから20年先30年先をイメージしたものに変えたものがパーパスなので、パーパスが一番重要だと思ってもらえればいいかなと思います。
川端もし、パーパスを軌道修正する必要が出てきた場合は、どのように見直すのでしょうか?
納(社長)よほど世の中が変化しない限り、パーパスを変える必要はないと思っています。むしろ変わる可能性があるのはビジョンですね。ビジョンが変わることはあっても、パーパスを変える必要はあまりないかなと感じています。
木村(司会)皆さんが今の三井金属に足りないと思うものはありますか?
岡部部下から上司に意見を言うための制度がないなと思っています。リクルート活動では「意見は言いやすいですか?」とよく聞かれて、いつも言いやすいと答えるんですけれど、それって上司次第だと内心思っています。例えば、部下からも上司を評価する360度評価などがあれば、意見を言いづらい職場でも、その制度があるから大丈夫とか。もし自分が上司になっても部下から評価してもらえる、悪いところは忌憚なく言ってもらえるので、安心できるのではと思います。
納(社長)重要なことですよね。部下からも意見を言いやすい職場になってほしいし、できるだけ自分からも発信してほしいと思います。360度評価は、使い方を間違わなければ、私も非常にいいことだと思っていますが、その人の良いところ、悪いところを的確に表現できることが求められますね。そういった制度でいうと、当社では、1on1ミーティングを始めたところです。上司と部下が、一対一で話す機会が増えるので、部下からの意見や進言を吸い上げやすくなると思っています。これとセットであるのは、一人ひとりのキャリアプランについてです。職能評価から、職務評価へ人事制度が変わりましたよね。そうなると皆さんにとって、自分のキャリアをどう育てたいかが非常に重要になってきますし、会社としても個人のキャリアパスを考えていく、ということをやっていきたいと思っています。
「変化を楽しむ」会社に
せっかくの機会ですので、納社長にお聞きしたいことはありますか?
大村就職活動をしている学生に、当社の最大の魅力は何ですか?と聞かれた時に、納社長ならどうお答えになりますか?
納(社長)一言で言うと、個人を大切にする、ですね。当社には、真面目だけど堅物ではないユニークな人が多いと思う。あとは、本当に自分がやりたいと思うなら、それができる会社だし、多少の失敗も許されます。私のモットーは「変化を楽しむ」なんですが新しいこと、変わったことをやって、最初は失敗もするんだろうけど、それが楽しいと思えるような会社にしていきたいと思っています。
大村なるほど。今後はそういった視点も入れて答えたいと思います。
納(社長)話は変わるけど、私はダイバーシティが本当に大事だと感じていて、性別、国籍に限らず、いろんな人がいて初めて強い会社になると思っています。特に当社は女性の比率が少ないので、女性の採用も増やしていきたいですね。
大村その通りですね。一方で、製錬所ではなかなか女性が働く環境が整っていないこともあり、女性の比率を上げることが難しいと感じています。
納(社長)たしかに製錬所では、女性が働くインフラが整っていないというケースがあると思います。そこは改善していかないといけないですよね。ただ、製錬所だから女性が働けないってことはないと思う。海外の製錬所に見学に行った時には、女性の監督者とかいっぱいいるんですよ。製錬所ではないですが、マレーシアにいた時も、管理職の少なくとも三割が女性でした。日本は本当にすごく遅れているので、もったいないと感じています。
木村(司会)まだまだお話は尽きないですが、最後に納社長、本日の座談会はいかがでしたか?
納(社長)皆さんありがとうございました。普段、こうやって話す機会はないので、とても楽しかったです。我々がトコトン議論して作ったパーパスへの思いを肌で感じてもらえたと思うので、ぜひ皆さんの周りでもパーパスについて熱く語ってくださいね。
※部署名・役職名は2023年3月当時のものです。